2025/07/07
ベーテルHP
カテゴリ 障害者問題
強制不妊手術、違憲判決から1年
1.寺原多恵子、堀菜菜子.優生手術 全ての名誉回復を、国の責任認定から1年 支援団体声明.毎日新聞、2025年7月1日、21面.
2.河北新報.「全被害者へ補償を」- 全国弁護団 救済制度 周知求める、強制不妊訴訟 最高裁判決から1年.2025年7月1日、22面.
3.阿部育子.障害者の尊厳回復 通知重要−被害者掘り起こし 協力必要、旧優生保護法 最高裁の違憲判決1年、全国弁護団共同代表・仙台弁護士会−新里宏二弁護士に聞く.朝日新聞、2025年7月3日、17面.
4.河北新報.強制不妊 8県補償通知、宮城など10都道府県「検討」.2025年7月7日、1面.
5.河北新報.強制不妊 被害者補償進まず、差別や偏見 申請の壁、支援者「個別通知」求める.2025年7月7日、3面.
6.松本信太郎.障害者施設で虐待疑い、拘束や顔面殴打 市「確認進める」、青森・五所川原「栄幸園」.毎日新聞、2025年7月2日、15面.
7.河北新報.障害者施設で虐待か、五所川原 常態化疑い市調査.2025年7月2日、24面.
8. 遠藤大志.てんかんにも向けられた優生保護法・強制不妊.てんかんケア仙台2024−1、2024年11月9日、82−96頁、岩沼.
9.新里宏二.強制不妊訴訟と7.32024最高裁大法廷判決.てんかんケア仙台2024−2、2025年6月18日、136−152、岩沼.
昨年2024年7月3日は、日本の障害者運動にとっては、この場合は最高裁大法廷判決という司法的側面では、忘れられない記念日の一つになる。2018年1月に始まった強制不妊訴訟の裁判が、6年有余かけて最高裁大法廷での原告側の完全勝訴となった日である。それから1年経ったことになる。
よくる2025年1月には補償法も施行された。当ブログでも可能な限り、その後も後追うように努めてきたので、ご参照のほどあれかし。
最高裁大法廷が附帯意見を含めて全員一致で、旧優生保護法による強制不妊手術(25,000件)と人工妊娠中絶(59,000件)が完全な憲法違反であることを認めた。また、全面的な解決を目指す原告団、弁護団、全国連絡会(優生連)が政府に基本合意を結ばさせたことも、国家行政が障害者と呼ばれる全国民への態度規範としての道しるべとなった。そうではあれ、最高裁大法廷判決は完全勝訴ではあっても、解決困難な深刻な事態を迎えていることが二つあることを忘れてはならない。一つは直接に被害者が高齢化している。最高裁大法廷判決に関わらず国の謝罪も補償も届けられず、その尊厳と名誉の回復が得られない方々の無念がある。二つは、幸運に手術記録が残っている方々ですら、行政の個別通知が遅々として進んでいないという不作為がまかりとおり、間接的な被害が表面化していることである。後者は国と地方自治体の双方が個別通知等の実務作業を推進しようとしない。先ず、国そのものが自治体に具体的に「こうしなさい」と指示していない。自治体は自治体で、恰も強制不妊手術の執行責任がなかったかのように積極的には動かない。国(こども家庭庁)と自治体首長(知事)が、謝罪に伴う補償のための実務作業を押し付け合っている。中には型の如く「個人情報」という便利な理由、隠れ蓑を持ち出して譲らない場合もある。漸く8県のみが個別通知を行い始めたが、牛歩の域を出ない。被害者は酷くご高齢なのだ。こんな状況では、支援団体と原告団の活動は、裁判開始と同じほどに強制不妊手術への闘いは緒に就いたばかり同然となる。
そんな中、旧法とは直接関わらないまでも母体保護法の規程に関わる事件が報じられた。施術側の医療行為が法的な届け出を必要としたとある。
他方で、またぞろ障害者支援施設での虐待が報じられている。「戦後最悪の人権侵害」はもはやないはずの国となったはずなのに。私たちは安心して住んでいてよい国情にあるなどと、ゆめゆめ油断してはならない。 (Drソガ)
1.寺原多恵子、堀菜菜子.優生手術 全ての名誉回復を、国の責任認定から1年 支援団体声明.毎日新聞、2025年7月1日、21面.

2.河北新報.「全被害者へ補償を」- 全国弁護団 救済制度 周知求める、強制不妊訴訟 最高裁判決から1年.2025年7月1日、22面.

3.阿部育子.障害者の尊厳回復 通知重要−被害者掘り起こし 協力必要、旧優生保護法 最高裁の違憲判決1年、全国弁護団共同代表・仙台弁護士会−新里宏二弁護士に聞く.朝日新聞、2025年7月3日、17面.
4.河北新報.強制不妊 8県補償通知、宮城など10都道府県「検討」.2025年7月7日、1面.
5.河北新報.強制不妊 被害者補償進まず、差別や偏見 申請の壁、支援者「個別通知」求める.2025年7月7日、3面.
6.松本信太郎.障害者施設で虐待疑い、拘束や顔面殴打 市「確認進める」、青森・五所川原「栄幸園」.毎日新聞、2025年7月2日、15面.
7.河北新報.障害者施設で虐待か、五所川原 常態化疑い市調査.2025年7月2日、24面.