· 

強制不妊、一時金救済法を5年延長

強制不妊、一時金救済法を5年延長

 

ベーテルブログ優生保護法 2024/03/14

    小鍛冶孝志.強制不妊救済−5年延長、衆院委提出決定−改正法成立へ.毎日新聞、2024314日、1面。 

    藤沢美由紀、神足俊介.伸び悩む一時金支給、強制不妊改正救済法、個別通知広がらず−請求、想定の一割.2024314日、6面.

    河北新報.強制不妊一時金を延長. 2024314日、2面.

 

河北新報が見逃しそうな短報を載せ、毎日は第1面左に目立たせた記事だ。

2018131日にはじめて烽火を上げた優生保護法・強制不妊の裁判は仙台で始まった。国会は遅ればせながらも、それでも異例のす早い対応を見せ、20181031日には素案が固まり、2019424日に超党派議員連盟による優生保護法の被害者救済法を立てた。予算額はどのように試算したか、とにかく125億円だった。一方、救済策としての一時金応募(請求)には期限があり、早いもので20244月には5年期限が切れる。なお請求者数は1100人弱である。手術を強制された被害者総数は把握されたのは25000人とされていて、10%を切る。如何なる根拠ではじき出されたか分からない給付額320万は低すぎるということとてあろう。その後の原告勝利の判決では優生保護法を憲法違反とした上で、国家賠償額としては1500万から3000万余りの金額となっている。とはいえ、そんな金高の問題よりは国家犯罪による被害者にとって、もっともっと、ずっとずっと重大なことは、物言えぬこと、なおも名を明かさない明かせない、忘れ去られてもいる、親族すら隠し続けている、虐げられたまま、こどもができない産めない身体への傷害となった、などがある。物言えぬ場合は代弁者なら語り尽くせないほどの無念となろう。

改正法は期限を延長するだけやもしれず、国会が何かしらの新たな基軸をつくろうとしていることを意味しない。第一次の期限が5年ならば、「5年」に何かしらの根拠を定めたのであろうから、更なる5年の期限延長とする改正の理由に関する説明があってよかろう。まだ、巷には知られない。また、期限延長は昨年6月頃から取り沙汰されはじめ、このブログでも202428日にこの話題が既に報道されていることをお伝えした。

この事情に答えようとしているのが②の、筆者を違えた毎日新聞の解説記事だ。それによれば、支給件数は当初見込みの10分の1に満たないこと、被害者の高齢化と被害者に強制不妊手術が通知されていないこと、各地の国家賠償額判決が救済法をはるかに超えていること、例のごとく被害者への個別通知がプライヴァシ侵害とする反対論(鳥取などは通知)が幅を利かせていること、などが列記されている。結論として、今夏と見込まれる最高裁の統一判断で賠償額に関する改正論議が再開されるかもしれないと追加している。

腹立たしいのは、被害者の半数以上が死亡していると仮定した立法であったこと、支給要件を満たさないと認定された200人以上の請求者がいたこと、プライヴァシ侵害を盾に取って通知すべき被害者の特定と救済には特段の配慮がなかったこと、全ては最高裁の判断を待つという無作為(あれこれ理屈を並べて、結局は何もしないこと)となりかねないことだ。当方の経験では、提出された相談資料なるものは真っ黒に塗り潰されており、資料が存在する理由も明らかではなく、また重要な経過帰結の記載がなく、資料自体が途絶していることだ。つまり、その後、何が起きたかの記録を追えない資料公開であった。必要もない黒塗りを役人、この場合宮城県職員、は強いられながらだろうが平気で実行できる人たちなのだ。具体的にどのように黒塗り作業を行うのかについては事細かな指示をどなたかが命令しているはずだ。この手続きを是非知りたい。手間暇かけての黒塗り仕事。医療現場で働く者からは、何ともまあ、お暇な優雅なお仕事と呼ぶよりない。

となれば、折角の議員連盟には明確な救済策とすべく独自の具体的な見識なるものはなかったとなる。今や最高裁大法廷回付に任せればよいで独特性はないのではと危惧する。一方、この程度の国家犯罪では、いわゆる宰相なるもの、また現在では内閣府担当長官も登場するほどのものではないと判断している、と理解した方が正解かもしれない。

半数以上は亡くなっている想定が当然見込まれたというのは、被害者には大変に失礼な話だ。無念のうちに亡くなった方々は既に抹消されていた。都合の良い予測から立法は作られるらしい。

#強制不妊

                             (Drソガ)

    小鍛冶孝志.強制不妊救済−5年延長、衆院委提出決定−改正法成立へ.毎日新聞、2024314日、1面。  

    藤沢美由紀、神足俊介.伸び悩む一時金支給、強制不妊改正救済法、個別通知広がらず−請求、想定の一割.2024314日、6面.

    河北新報.強制不妊一時金を延長. 2024314日、2面.