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2023/03/24 強制不妊、大阪高裁ー除斥期間適用制限

2023/03/24

強制不妊、大阪高裁ー除斥期間適用制限

 

   山本康介.強制不妊、原告逆転勝訴ー大阪高裁、除斥期間適用を撤回、国に賠償命令.毎日新聞、2023324日、23面.

   森下祐介、松浦祥子.強制不妊、救済範囲を拡大ー大阪高裁、除斥期間を巡り、国に賠償命令.朝日新聞、2023324日、28面.

   河北新報.強制不妊、兵庫訴訟も国に賠償命令ー大阪高裁判決、原告側の逆転勝訴ー除斥期間適用制限、6ヶ月と初判断.2023324日、26面。

 

ベーテルブログ2023/03/24

 

 一週間も経たぬうちに、札幌高裁判決に続いて、敗訴した兵庫訴訟も3月23日、大阪高裁は優生保護法を違法として、国に損害賠償を命じた。立て続けの原告勝訴なので、あらためての素人解説はやめにして、各紙の記事の内容、あるいは述べ方を見比べることができるように貼り付けた。

  簡単に言えば、地裁判決では負けた原告被害者側が高裁判決で勝利したということだ。当方は裁判闘争というものに通じてはいないが、国との困難な闘いを切り拓いている専門家集団たる原告弁護団の弁護士たちのお仕事が、原告勝利を支えながら、裁判の一つ一つの手続きを超克したとなり、心から感謝し尊敬したい。

  お話しは違憲性が骨格であるが、国家目標のため原告被害者に肉体的侵襲を加えた強制不妊に対して、賠償勝利を通じてささやかに抵抗するに過ぎない、仮初めの置き換えとしての国家賠償をまず勝ち取ることにある。大阪高裁の判決は、除斥期間(いわゆる時効)に対して、当方には異界の話だが、「国が違憲」と認めるか、「最高裁判決で旧法の違憲性が確定してから6ヶ月以内」として、従来より(?)大幅に(?)救済の範囲を広げる(?)ことになり、救済の道(?)を開くという。表題は朝日がうまい。毎日は丁寧だ。

原告勝訴は高裁判決の4例目で、うち続く地裁判決の勝利が雪崩を打つようならば、と、河北は立命館大法科大学院の松本克美教授(民法学)の話を重ねて「政治決着迫る判決」を載せたのは優れている。とはいえ、政治決着なるものとなったとしても、如何ように被害者の無念に通じていくことになるかまでは、当方には分からない。                         

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