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今週のこの記事一つ:番外2021-18(18) −オリパラ開催「陛下が感染拡大懸念」−  (陛下が?)「越権行為」批判の声も

2021/07/02

 

今週のこの記事一つ:番外2021-1818

 −オリパラ開催「陛下が感染拡大懸念」−

 (陛下が?)越権行為」批判の声も

和田武士、加藤明子.毎日新聞、2021年6月30.

 

 事が天皇に関わると、わざわざ大騒ぎしようというのがウジョウジョ出てくる。若い天皇が東京オリンピックにも関連してCOVID-19感染拡大を「ご懸念なさっている」と、宮内庁長官が(拝察)公表したことを、敢えてわざわざ、「(現)憲法は、天皇の政治的行為を禁じている」という話にしてしまおうと、悪のり(すり替えて針小棒大と)する正体の見えないのがいる。ところが、何故か、敗戦前の天皇制を奉じる懐かしいグループの反応ではない。ならば、誰だ。そして、今回はどうも事情が違う。一般には左派や反民族主義派の論法と取られるが、今回は全然違う。

 当方は先代天皇と皇后を心から尊敬している。上皇は敗戦をくぐり抜けて生き延びたので、若き時から苦労され退かれるまで、憲法の制約という不自由な身ながら、民に近づこうと痛々しいまでに務められたTVで繰り返し報じられたように、お待ちになる大勢の民人に見つめられながら、腰をおろし膝まづく上皇と上皇后の姿があった。上皇后のお勧めだなどという誠しやかな噂解説もあったと記憶する。お二人は、若き天皇の今回の言葉、「COVID-19感染拡大へのご懸念」などというレヴェルではない、沖縄やアジア諸国訪問、3.112011被災者への慰問の幾つかなど、その意味では政治的に、だから憲法違反の越権行為とみなされてもおかしくない、危ない発言や活動を重ねられた。マスコミも相当に力を入れて、大きな記事にしたものだった。越権などという言葉は聞かなかった。加えて、私たちすら知っている。上皇后は一度ならずベーテル現地を訪ねたばかりではなく、東京大使館の慎ましやかなベーテル150周年の披露会場にまでお忍びでお励ましにお越しになったこと、歌集も出版なさったことを(てんかんケア仙台2019-1所収)。まして、日本が誇る類い稀な、決して穏やかな方々とは呼べない女性達とともに懇親の場におられることも重ねたという情報も素直に嬉しかった。

貧農の少年には見たこともない光景の一つに、上皇と上皇后のご結婚パレード写真の放映や写真がある。少年は素朴に感動したが、その記憶は裏切られることはなかった。

 結論。憲法の名を語りながら、天皇には一言も喋らせない、感情の吐露も許さないと固く決意した政治家集団とその取りまきたちが騒いでいる。彼らは一体、何ものを気取っているのであろうか。首を切る事態もあることを承知させて、宮内庁長官に命じた、と考える。ところが、記事では政権寄りの元警視総監であり、晴れて宮内庁長官に任命されているとなれば、裏はかなりのものとなる。慌てたふりをしながらの術策を弄して、逆に天皇を利用しているのは明白だ。天皇は苦虫を潰しているだろう。お気の毒だ。

そんなことより、むしろ、上皇はもちろん、天皇は新型コロナワクチンの接種を受けたのだろうかと心配してあげたら。(噂はあったー公表を差し控えるとしながら、上皇ら皇族高齢者は6月1日、高齢の国民と同じくNHK関連情報―受けています)。若い天皇についてはどうだ。日本経済新聞情報では一般枠と同じだそうだ。皇居参賀のために貯金することも厭わなかった平民なら、私の分を陛下にと差し上げる人も、まだわずかながらも敗残兵のように残っているだろう。

なのだが、天皇の「お」気持ちも案配していく務めは現憲法下の政権運営には新しく厳しく求められているのだ。何故にいまさら天皇だけをバッシングするのだ。天皇の一言二言までをなにゆえ無意味な憲法論議にまですりかえ上げなければならないか、理由が分からない。天皇も生身の個人だから、毎日まいにち世情にも政情にも無縁ではない。それでもいやがおうで我慢に我慢を重ねて、天皇は務めを果たしているのだから、それ以上に何も望んではならないはずだ。

記事化の意図も本意は違えど、読みようではイットキ首相のご機嫌伺いも務めだという勢いとなる。国家権力と無縁となった天皇の個人的感慨にまで政権がとやかく解説する必要は全くない。下卑た政権解説に国民誰しも興味はない。誰にも何も言わせない宣伝になっている。

天下大事のCOVID-19災禍に天皇が国を案じて胸中を述べるのは何の問題もないし、どんどん発表してよい。天皇の胸中の思いのどこが現政治に口を差し挟むことになり、現政権にとってどう不都合なのかだけを、イットキ政権は語ればよい。国民の象徴とて貧しい民と同じで、その一人が新型コロナを心配してつぶやいた言葉を、たまたまの取りまきたちが、反党だ、反政権だ、非国民だと徹底的にたたこうとしている。

国民の象徴である以外には天皇も、残念ながらたまたまこの国に生まれてしまった単なる一個人、つまりこの国なるものの虜囚だ。オリ・パラ開会宣言の重積が押し付けられているはずだが、憲法のどこかに書いてあるのだろう。そして、ならば、天皇は何か特殊な情報を得続けているはずだ。だから、コロナワクチンは効果は減衰するが、当然既に2回打ったはずだ。などと、とにかく心配、心配してよい。とにかく、風通しが悪く、すでに息がつまっている。皇居だけは風通しがよいなら、戦前だ。そのなかで実は、これ以上のめくらましはないという裏筋評価まで登場する美容担当が、目先をそっくり変えるためだけの厄除け発言を連発している。途轍もない発信力だ。天皇にはこうしてよと裏筋では伝えているのだろうが。

さて、この紙面には登場しないが、表代表の官房長官の解釈は、国民の象徴、つまり貧しい民一人の懸念に対して、極めて「無礼」で「不尊」だ。COVID-19災禍下の厚生大臣だった人だ。開会宣言の陛下の安全は確保したのね。皇后は同席しないのね。運転手たちは大丈夫なのね。まして、護衛官達だけはしっかり大丈夫だよね。

                        (Drソガ)