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今週のこの1冊20210601―(22) コロナ時代のパンセ -戦争法からパンデミックまでの7年間の思考―

2021/06/25
今週のこの120210601―(22

 

コロナ時代のパンセ

-戦争法からパンデミックまでの7年間の思考―

辺見庸. 毎日新聞出版.2021425日発行.283頁.東京、1800円.

② 辺見庸さん新著「コロナ時代のパンセ」

―凄絶な風景 すさむ内面、他者浄化の風潮「やばい」、空疎化する言葉に危機感、失われる共感、「感情共同体」―

河北新報.202162日.17面、文化. 

 

「この一冊」の予定では、今回は原発震災―警鐘の軌跡−(石橋克彦.2012214日発行. 七つ森書店、東京)であったが、当方は臨床医で朝から晩まで臨床なので、65日開催の仙台国際センターでのEPLS「仙台てんかん医学市民講座-2021春期」とSCAPE「仙台・てんかん市民・会議-2021」の公開開催に追われ、ならなかった。この間、フクシマ処理水、老朽原発再稼働を含め、当方の主課題なる障がい児者問題やデジタル関連法、また特に沖縄と関わる戦争準備法たる重要土地等調査規制法など、矢継ぎ早やの小うるさい情報が満ちあふれ、あらためて国なるものの恐ろしさを感ずる毎日であった。一方、当方の本職では、アメリカ・ペンシルベニアでの第16回「AEDD-XVI」(Antiepileptic Drugs and DeviceTrials)にWEB上で三日三晩(21時−6時)、死なない程度にわずかながら参加できて、幸せ気分も味わえた。

 こんな遅れも挽回すべく、今回はとにかくも辺見庸を紹介したい。一方では時あたかも敬愛する知の巨人・立花隆も死んでしまったので悲しい心境にありながらなので、石巻出身の先輩、「もの食う人びと」の著者だが、この方をどう表現すればよいかとなれば、ずばり詩人でよかろうが、脳梗塞ながら癌ながら書き溜めた一連を拾い集めた書物を出してくれて、嬉しかった。お元気そうだ。なお、2014年からのパンセなので、その一々の題名を打ち込む時間は目下の当方にはないので、是非みなさん、ご購入のうえ、お目通し下さい。

 また、この書物を紹介した河北新報の記事が逸品であったので、ご紹介したい。この紹介文がどなたの手になるものかは分からないが、相当に辺見庸を知り込みでいて、知り尽くす勢いだ。だから、当方からの追加はない。河北も執筆者をしっかり紙面で伝えてくれるとよいのだが。立派なスタッフに恵まれている。

 辺見庸、石巻出身の偉人だ。          (Drソガ)