ベーテル花ブログ 14 春一番3 −クロークス−

2021/03/13

ベーテル花ブログ

14 春一番3 −クロークス−

 

ベーテルは「病室に花を飾り、看護に心を飾る」としている。冬は、冬にも花を絶やさない、としている。病院と花の対語では、花は何を持ち込むか分からない病原菌類の媒体かも知れず、特に鉢物は嫌われる。医療雑誌で見舞い品として危なくはないなどと、稀には取り上げられたりしないわけではない。相当無理な例えだが、大村智は微生物から捕れる有用な天然有機化合物の研究を続けて、「土から」ノーベル賞受賞(2015年)対象の抗寄生虫薬イベルメクチンを開発した。だから、花も決して無害ではないだろう。

 なのだが、感染症病院ではないベーテルは花で一杯だ。春一番はクロッカス(オランダ語ではクロークス)と決めてあり、梅でもないし、福寿草でもないし、水仙でもなければ菜の花でもない。そんなクロークスが期待通りに咲いてくれた。寒い平原を春一番で被うかのようなおぼろを演出する姿の見えない小さな野の花の代表だ。

 38年前、35日、私たちは後に国際てんかん協会IBEの理事長となるJoop Loeberが待つスヒッポル空港に降りた。  (Drソガ)