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ベーテル花ブログ 13 春一番2 −椿−

2021/03/06

ベーテル花ブログ

13 春一番2 −椿−

 

 3.112011はいつものようにひどく寒かった。今年2021年は、不気味な暖かさの3月が始まっている。例年通りのそのままの寒さでも、ベーテルの花壇や病室などそれぞれのベランダには、既に写真を撮り言葉を飾る題材が人目を惹こうとしている。

 いや待て、今回は裏山の話題だ。杉の木立は東向きの斜面だ。昼にもならないのに陽が陰り西日にも当たらない。斜面にはへばりつくように立っていたであろう人家の痕跡がある。蘇鉄、琵琶、そして椿の樹が庭が逢ったことを伝える。既に杉林となり、ひっそり陽光を得んとしているが、かなり難しくなっている。さほど高くもないベーテルの建物が南にあるからだ。

 それでも、椿は花を全身に纏うし、琵琶の実もなる。樹体の下の何分の一かはこの季節でも2−3時間は陽光を浴びることができる。一週前から3つ4つの赤い花が咲いていることに気づいた。時を逃さず斜面を登りシャッターを切ったのが今日だ。花は寒さに撃たれていたが、事実としては写真が撮れた。根元にはみっつ散り花がそっくり墜ちていた。椿が嫌われる理由だ。

一花をへし折り部屋に持ち帰った。

椿は、気づけば、何と「木」の「春」だ。だから、たとえば卒業式には咲いているので、構内を椿で飾っているところもある。昔の情景では、まだ田んぼを耕し始めていないこ寒い時期に大木の椿並木があって、木陰の日だまりで子どもたちが車座になって悪戯をしていた記憶もある。NHK番組の「ブラタモリ」が大島のロケで椿をしっかり紹介していたが、いわれはひどく新しかった。なお、お隣、ご近所さんの庭にも椿は人気者だ。

その美しさと恐ろしさは「椿三十郎」に採用されている。木が真っ先に春を告げる。この土地では、梅はまだ咲かない。 (Drソガ)