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今週のこの1冊―特別寄贈てんかん書2021−1(1) 実践「小児てんかんの薬物治療」

実践「小児てんかんの薬物治療」

 

須貝研二.20201221日年発行.152頁、診断と治療社、東京. 4800.

 

 当方は世離れしたてんかん専門の臨床医だ。病院の籠の鳥で、外には出ない生活を30年間続けてきた。ごく稀に執筆の依頼があったりするが応ずることはできないので断る。ながら、稀に知己の方々から贈呈本が届くことがないわけでもない。

 新年202114日に須貝研二先生からピカピカのご本が届いた。須貝先生はいわゆる「武蔵」の小児神経科を長く領導されてきた。先生との出会いは当方がオランダに留学する直前と帰国してわずかの期間、同じ敷地に居たに過ぎない。当方の言い方だと、田中角栄が引き合わせた仲だ。途轍もなく丁寧なお仕事をなさる方で、カーレ仙台のEPLS市民講座にも二度も無理矢理ご登壇頂いた。武蔵をご退任なさるとは聞いていたが、現在国際てんかん学会ILAETask Forceの一つ「 小児てんかんの薬物治療」委員の任にもある。臨床を積み上げて詰めに詰めるお仕事をなさっているお方が当方の見解なので、ILAEもまだかなりの嗅覚と視力を保っていると評価する。通覧一目で、Dr須貝だからこその、それこそ安心して読める臨床ガイドブックに仕立て上がっている。診察室の机の上の分厚いてんかん成書や雑誌の並びの中央に、過たない「私、失敗しないから」ガイドブックとして、このご本をお飾り頂きたい。

Drソガ)