「杵が重いっ!それでも餅つきしたい」
早いもので、新年になり15日が経ちました。元日から寒い日が続いていましたが、今日は暖かく雪解けも進む晴々とした天気でした。そのような中、毎年恒例の餅つき大会が行われました。餅つきベテランのスタッフたちが「それっ、よいしょ、はいっ!」と気合の入った掛け声を会場に響かせていました。杵がコーンッと力強い音を立て、臼の中の餅が叩かれます。その隙にすばやい動きで捏ねると「おお!」と歓声が上がりました。その力強さが会場を一つにしたようで、自然と「よいしょっ」と声を掛け合いました。
患者さんの中には餅つきを体験したことがないとの声が多くありました。また、餅つきをぜひやってみたいという患者さんが、スタッフから杵の使い方を教わり取り組んでいました。「うわぁ、難しい……」と、実際に杵を握ってみることで、杵が意外と重たいということに驚いていました。まだ年齢の小さな患者さんは杵をもってフラフラよろめいていました。それでも餅をつきたい!あきらめず餅のように粘って杵を振っていました。このように初めて餅つきを体験することで、杵を思い通りに振り下ろすことが難しいことに気づかされます。患者さんたちは思わず笑みがこぼれていました。
私は、患者さんと共に過ごした新年のお祝い会で、初めてフルートの演奏をさせていただきましたが、今回の餅つきという新年の行事に当たり、心穏やかに再度フルートを演奏させていただきました。楽しんでいただけたなら幸いです。
本日の催しに際し、餅つきの由来について皆で学びを深めました。餅つきは「新しい特別な日に、年神様をお迎えして、今年1年が幸せでありますようにと、鏡餅をお供えしてお祈りするため」とのことでした。言わば餅つきは神様に対して感謝と祈りの気持ちを表現したと言えるのではないでしょうか。
新年もコロナ禍の中での出発でしたが、ソーシャルディスタンスや手指消毒など感染対策を徹底しながら、みんなが笑顔になった1日でした。
作業療法士 佐藤崇光