2020/12/14
今週のこの一冊202012-02
苦界・浄土・日本−石牟礼道子 もだえ神の精神−
集英社新書1040F
田中優子著:2020年10月21日発行.266頁、集英社、東京.
880円.
ブログ:この記事一つで触れてしまった。当方は通じない田中優子さんが、(水俣病)石牟礼道子を主題とした新書を与えてくれた。所蔵する石牟礼の本(藤原書店)は10冊を下らないが、この手の解説本は初めてだ。田中は石牟礼にノーベル文学賞が授賞されなかった残念(いやそんなものは毛頭要らないが、そうならば嬉しいね)も伝えながら、道子の世界を分析・解説してくれた。田中と石牟礼の対話の復刻もあり、嬉しい本だ。もちろん今回の紹介は、石牟礼がCovid-19災禍を知らぬまま、2018年2月10日に神に召されてしまって、私どもの力では表現が彼女に及ぶはずは到底ないので、至極残念(大事なものの喪失感)と思っているからだ。道子ならばなあ、まだまだ見えないCOVID-19災禍の途中経過をどんな風に表現していくのかなあと頼らざるを得ない。ほぼ恋心だ。
序章 石牟礼道子の縦走する
「二つの世界」(6節)
第一章 母系の森の中へ(9節)
第二章 闘う共同体(9節)
第三章 もだえ神(7節)
第四章 祈るべき天と思えど天の病む(7節)